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2016/02/27 13:27

当店ではアメリカのテキサスからMAMMOTH TOOTHを取り寄せアクセサリー用に加工、販売しています。 

当初マンモストゥースの存在は知りませんでしたが、アメリカではカスタムナイフのグリップに使う高級素材としてマニアの間で流通しています。
きっかけはご来店のお客様がこのペンダントを所有してたのが始まりです。
ちなみにこのお客様はキリンの革(giraffe leather)のお財布や名刺入れも使用してて度肝を抜かれた思い出があります。


MAMMOTH TOOTHはシベリアで発掘された一万年以上前のマンモスの臼歯の化石。
ノーマルな物はアイボリー~茶色ですが、赤や青の綺麗なカラーは、diyed Red 、diyed Blueなどと表記がある物もあるので染められてる物だと思われます。
ただ高額の物によっては土壌のミネラルの成分が浸透し発色した物もあるとか。
発色の綺麗なものは直ぐに売り切れてしまうので綺麗なカラーが出たときは迷わず確保しないともう同じ物は手に入りません。
以前パープルとアイボリーのグラデーションの物が出ましたが悩んでる内に売れてしまい、それから二度と見かけません。
ただ今のところワシントン条約などの規制や法律が無いので良いものは海外から取り寄せストックしていくつもりです。

加工はやっぱり化石ですのでデリケートな素材、削ってる時に割れてしまう事もしばしばあり、慎重に少しずつ削ります。
破片が飛び散るので保護の為にマスクとメガネは必要、ダイヤモンドカッターで一時間かけて慎重に切り取ります。 
マンモストゥースは削っていると舞い上がる粉塵で歯医者さんと同じ臭いがしてきて、やっぱり歯をけずってるんだなと実感します(笑)


切り取ったMAMMOTH TOOTHは強度と発色を良くする為にエポキシ樹脂を使用しエンハラスメント処理を行います。 
エンハラスメント処理はエメラルドなどの宝石のやり方を参考にしました。
使う薬剤も海外から取り寄せ処理の方法はこれが正解というものがないので最初は手探りでした。 
加熱する温度や時間、硬化剤の割合など試行錯誤しました。
薬剤は臭いがキツいので換金が必要だし、固まらないとベトベトするし、気泡が入ったりととても苦戦しました。
研磨は靴職人らしい方法で研磨してきいます。
研磨の内容は企業秘密、一点に対して2時間ほど研磨します。
最後にレアアースの粉を使って手で磨きあげます。


普段の仕事とは勝手が違うので大変ですがとても面白い素材ですので、
知る人ぞ知るマンモストゥースアクセサリー作家としてこっそりマニアなお客様の為だけに、
靴製作の傍ら時間が出来たら少しずつ作品を作って活動していきます。


1786Key Ring とMAMMOTH TOOTH